菊は仏花だけじゃない
洋菊・スプレーマムの飾り方と重陽の節句の話

「菊」と聞くと、お墓やお仏壇の花を思い浮かべる方が多いと思います。実際、当店でも仏花の中心は菊です(お供え用の選び方は仏花の選び方の記事で詳しく書いています)。でも花屋から見ると、菊は日持ちが良く、色も形も豊富な、とても使いやすい花。秋が深まるこの時期に、仏花以外の菊の楽しみ方をご紹介します。
仏花の菊と「洋菊」は見た目が違う
お供えに使うのは、一本の茎に大きな花がひとつ咲く輪菊が中心です。一方、海外で品種改良されて日本に入ってきたものを、花屋では洋菊(マム)と呼んでいます。代表的なのは、一本の茎から枝分かれして小花がたくさん咲くスプレーマム、まん丸でころんとしたピンポンマム、花びらが細く広がるスパイダーマムなど。緑や薄いピンク、くすんだ色合いのものもあり、ブーケに入っていても菊だと気づかれないことがよくあります。
洋菊のかわいい飾り方
- ピンポンマムを1〜3本だけ … 小さなコップや空き瓶に短く挿すだけで、玄関や洗面所が明るくなります。
- スプレーマムを短く切り分ける … 枝分かれした小花を一輪ずつ切り、小さな器にいくつか並べると、一本で何か所も飾れます。
- 秋の枝ものと合わせる … 実ものや紅葉した枝と合わせると、仏花らしさが消えて季節感のある飾りになります。
菊は国内で一年中たくさん出回っている花なので、比較的手頃に手に入るのも魅力です。思い立ったときに花を選べる24時間無人販売の店舗も、ぜひのぞいてみてください。
長持ちさせるプロのコツ
菊は茎がかたく、水の中で葉が傷みやすい花です。水に浸かる部分の葉はすべて取り、茎は清潔なハサミで斜めに切ってから活けてください。水は少なめでかまいませんが、2日に1回は替えて、そのたびに茎の先を1cmほど切り戻すと、2週間前後楽しめることも珍しくありません。
菊の節句「重陽の節句」
9月9日は五節句のひとつ重陽(ちょうよう)の節句で、「菊の節句」とも呼ばれます。菊の花を浮かべたお酒を飲むなど、菊に長寿の願いを込める行事として伝わってきました。もとは旧暦の9月9日なので、本来は今くらいの菊の盛りの季節の行事。秋の食卓に菊を一輪飾るのも、昔ながらの楽しみ方です。
まとめ
菊は「仏花の花」だけでなく、日持ちの良さと手頃さで、普段の暮らしに飾るのにぴったりの花です。まずはピンポンマム1本から、気軽に試してみてください。
よくある質問
Q. 菊をお祝いやプレゼントに贈っても失礼になりませんか?
A. ピンポンマムやスプレーマムなどの洋菊を、明るい色の花と合わせたブーケやアレンジなら、お祝いにも使われています。ただし白や黄色の輪菊だけでまとめるとお供えの印象が強くなるので、お見舞いや年配の方への贈り物では避けるのが無難です。
Q. 菊の切り花はどのくらい日持ちしますか?
A. 菊は切り花の中でも日持ちが良い花で、こまめに水を替えて茎を切り戻せば2週間前後楽しめることも珍しくありません。室温や品種によって差があるので、花びらが傷んできたら早めに外してください。
Q. 重陽の節句はいつですか?
A. 重陽の節句は9月9日で、五節句のひとつです。「菊の節句」とも呼ばれます。もとは旧暦の9月9日に行われていたため、本来は菊の盛りにあたる秋の行事でした。
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